2000. 8.18/下北沢CLUB Que



なんか変だ。この日は最初からいつもと違う空気が流れていた。
そうか、いるはずのない人がいるからだ。
そう……岡田くん
感激だ! 遅刻しなかったのねー!!
アメリカから帰ってきて心を入れ換えたのか?


NORI JUN


それにしてもリハーサル前から楽しそうなメンバーの顔。
レーベルメイトでありながら、今まで一度も対バンが叶わなかったプレクトラムの懐かしい顔と、メチャメチャ良い人たちハックルベリーフィンの面々。
空気がなごやかー。
そんな中、いつもどおりのリハーサルが進められていく。
相変わらずヘタッピなコーラスを何度も練習してる。大丈夫か?


HANA&NORI JUN

gakuya

ISO ISO


いつもより余裕を持って開場。
強くてしなやかな楽曲で聴かせるプレクトラム、若さあふれる佳曲が並ぶハックルベリーフィンに続いて、アップル&ペアーズの登場だ!

転換中に会場内に流れてくるSEは「アメリカン・パワー・ポップ」な曲たち。
リハーサルの時とは打って変わって男らしい顔つきでステージに上がる。
そして、ふいに始まった1曲目はアメリカのライブで初披露された磯山くんの新曲「Who killed pop star?」。日本初公開(かっちょえ〜!)である。a&pお得意の岡田磯山によるツインボーカルが炸裂!
勢いに乗っての2曲目は勢いあまる「猿とモンキー」、続いてはこれまた新曲で「カレンダー・ガール」。
客席の頭が左右に揺れて、みんなが気に入ってくれたのがわかる。
アップルにしか生まれないであろう、切なくキラキラなポップソング。


stage


ここで一息。
アメリカの土産話などでひとしきり盛り上がり、永井くんの変な「ピィーガヂュウTシャツ」が注目を集め、磯山くんはステージ前方の水たまり(ステージ前だけぽっかりお客さんがいなかったの)を気にしながら、東京では初めて演奏するアップルには珍しいメロウな「ジャック」へと突入。
そしてホッとさせてくれる、そして思い返すほどにグッと来るこれまたアップルお得意のミディアムナンバー「イエロー」。深く、強く、優しく、音楽を愛する曲「リリーフ」はいつ聴いても胸を打つ。


stage


そして磯山くんは水たまりが気になったまま「また会おうぜ!」と言った。
最新シングルの3曲が立て続けに客席を襲う。
「Coaster Ride」、「When the Summer is Through」、「Baked Jam Roll」。
最後に細い緊張感を残して幕は閉じられた。
それは夏の終りではなく、秋の入口に引かれたスタートラインみたいだった。


・・・・・・・・・・・


実はこの日、アンコールが用意されていた。
演奏されなかった幻のアンコール。
それは「きんいろのかけら」だった。


after stage


そして、この日のライブが、アップル&ペアーズ最後のライブとなる。