1996.10.20/渋谷ON AIR WEST



デビューを5日後の10月25日に控えた、アップル&ペアーズ。今日はアマチュアとしてはこれが本当に最後のステージとなる、「HEART BEAT PARADE〜ON AIR祭り〜」に出演です。
渋谷は円山町に君臨(?)する、3つのON AIR(EAST・WEST・nest)。その3つがこの日限りは全会場出入り自由!出演バンドも今が&これからが旬のヤツらがめいっぱい!という、たむとむスコープ&SKIT!さんの太っ腹企画。
我がa&pは、PILLOWSやエレキブラン、太陽の塔、タイム・スリップ・ランデブーなどなどのバンドとともに、WESTに出演しました(ちなみにEASTには、THE GROOVERSやミッシェル・ガン・エレファントが出演。観たかった…)。会場入りが12:00、リハーサル開始が予定13:30の実際は14:00、そして本番はなんと1時間押しの20:00、という暇な時間が有り余っているメンバー4人に、突撃インタビューをしてきました。


-----いよいよ5日後にデビューを控えておりますが…(この間、テレコに向かってイェーイとかみんな喧しい)、どうでしょう?
磯山「実感ない」
岡田「実際にレコード屋に並んでるのをこの目で見てからじゃないと、なかなかね」
磯山「ノリさんが某雑誌の取材の時に言ったことなんだけど、給料が振り込まれた時の方が、『おーっ、プロだぜ』って実感した(笑)」
-----で、デビュー曲が”ときには空”、嬉しいことにタイアップ(NTV系”新テンベストSHOW”エンディングテーマ。コーラスのとこばっかり使われてた、という少々の不満あり)も決まりましたが。でね、この”ときには空”だけじゃなく、岡田君の歌詞ってわりと散文的なものが多いんですけど、それは意図的なものなんですか?
岡田「いや、それはまちまちなんだけど、これについて書こう、とかってアタマから決めて歌詞を書く、っていうのがあんまりなくて、言葉が幾つか出てきてブロック、ブロックでぽんぽんぽーんってふくらましていって、最終的にパズルのピースが全部揃う、って感じが多いんだよね」
-----なるほど。次にアレンジについてなんですが。プロデューサーにムーンライダーズの白井良明さんを迎えての共同アレンジということですが、どうですか、ライブであのアレンジを基に演ってみて。
永井「グッとくる感じにアレンジしてるからね、やっぱり演っててもグッとくるもんはあるよね」
 「いい感じ!(アクセントおかしい)」
一同(爆笑)
-----あなたいつも取材そんななんですか(笑)?さて、今日はこの後、ここON AIR WESTでイベント出演ですが、来る11月12日に、同じこの場所でデビューワンマンライブが行われるんですよね。
磯山「チケット売れてないらしいから(笑)、ちょっと、蓋を開けてみないとわかんないんだけどねぇ」
岡田「とりあえず来て欲しいよね。まあ、プロになって一発目のライブってことで、きちんとしたライブを演ろうと…(笑)」
磯山「ホントは武道館で演ろうと思ってたんだけどね、レッド・ウォーリアーズに悪いからさ」
-----あー、取られちゃったんだ。
磯山「違うよ、譲ってやったんだよ!再結成っつうから、悪いじゃん」
-----はぁ、そうすか。…ここ、カットしましょ(笑)。では、最後に、このホームページを見てくれてる人たちも結構いらっしゃるんで、何か一言あれば。
岡田「ハイテクな人たちはいいなあ」
-----なんじゃそりゃ(笑)。
岡田「いや、俺(コンピュータを)持ってないからさ、早く仲間に入りたいです」
 「(ごめんなさい、周りの声にかき消されてしまってました…)」
永井「俺も持ってないから、何かあったら手紙書いて(笑)。手紙で連絡待つ!!」
岡田「俺達ローファイだからね(笑)」
-----(笑)。で、磯山君はネット・サーフィンもしましたし、このページに登場するのも2度目になりますね。
磯山「2度目?そっか…、次に俺達がこうやって登場するときは、ハダカの写真」
-----ハダカ(笑)?
磯山「そ。ホームページならではの」
岡田「でもさ、俺達ホームページどころかっていうか…、普通ミュージシャンって曲作るときコンピュータ使ったりするでしょ?俺、未だにラジカセ2台使って、ラジカセとラジカセの間で唄ったりしてんだよ」
-----ま、それがロックっつーことで(笑)。


以上、拙いインタビューで、メンバーの皆様には大変申し訳ありませんでした。
この後、メンバーは渋谷の街へと消えて行きました。なんせバンドが多いもんで、出番の1時間前からしか楽屋が使えないのでした。そして早めに戻ってきた岡田君以外の3人は、機材搬入口の階段の隅っこで、 どこで仕入れたのか「UNO」に興じていました。そしてそして、私達スタッフ(といってもポリスター・小松田と私の、女2人だけ。会社の人、ちゃんと来ましょう)は、機材搬入口で埃だらけになりながら、遅い昼食を摂ったのでした。なんか悲しい。

さて、この日のa&pのステージだが、短い時間(30分)だったとはいえ、いや、短い時間だったからこそ、緩急ある中味の濃いステージであった。 他のバンドを観に来たお客さん達も、a&pに合わせて体を揺らしていた。特にラストの”ナイト・ビート(インディビジュアルレコードより発売されたマキシ・シングル『DAYS』に収録)”のエンディングは圧巻。他のバンド目当てのお客さんも静まり返り、会場全体の空気がまさに「夜」になった。それも、ただの「夜」ではなくて、「真冬の深夜」に変えてしまったのだ。冬の日、寒いと解っているのに窓を開けて、冷たいけれどとても澄んでいるきれいな空気を吸い込んだときの、あの感じ。音楽の力だけで、その場の空気を変えてしまう存在感。いつの間に、こんなに成長していたんだろう?ちょっと置いてけぼりをくったみたい。

この日のメンバーは、スタッフサイドの問題から始まって、やけにテンションが低かった。自分たちの演奏にも、納得いかなかったらしい。
演る側と観る側では、えらい違うもんだなぁ…。