a&p in L.A.!!



25日(火)

岡田くん洗濯物が乾かず集合時間に遅れる。もちろん罰として運転担当を申し付ける。
今日はI.P.O.の出演者が集うパーティがある。パーティーと言っても親睦会みたいなもので、いたってラフ。そのパーティーの前に昨夜、吉田さんに書いてもらった地図を頼りにライノ・ショップへ向かう。ここはマニアックな名盤の再発レーベルとして有名なライノというレコード会社の店舗。もちろん音楽好きにはたまらない名盤の数々がずらぁーっと陳列されている。そりゃ岡田くんにとっちゃ、よだれもの。レコードを必死にあさる真剣な目はマジで恐い、誰も声をかけられずに見守る。
時間切れで気持ちの満たされない岡田くんを引きずりながら、パーティー会場&本日のI.P.O.のイベント会場でもあるエル・レイ・シアターに向かい、フィルと合流。パーティーでナックのプロデューサーをフィルに紹介される、9月にナックが来日予定と聞き、驚喜する岡田くん。その後、途中抜けでフィルとランチを食べに行く、連れて行ってもらったのはバーボン・ストリート・シュリンプというエビ料理がメインのカフェ・レストラン。料理は美味いわ、お店のお姉ちゃんみんなきれいだわで、みんなの視線はキョロキョロし過ぎではっきり言ってあやしい日本人になってる。フィルがこの店を選んだのは料理よりもお姉ちゃんが目的に違いない。そういえばフィルはこの店で「いつもひとりで詩を書きに来るんだ」などどのたまっていたがお姉ちゃんたちとお喋りしに来てるに違いない、確信。
エル・レイ・シアターに戻ると、一足先に戻っていたフィルが慌てて呼びに来る。なんと岡田くん憧れのナックのヴォーカルダグ・フィーガーとご対面!! 今回の旅のハイライトだ。彼がまだしばらくいることを確認した岡田くんは何を思ったか、ひとり車でどこかへ行ってしまう。やっと戻ってきたと思ったら手には日本から持ってきたナックのCDとアメリカに着いてから買ったナックのレコードが…。わざわざモーテルまで取りに戻っていたらしい、汗だくだ。今回ライブのオープニングにやった磯山くんの曲にナックのことを詩に書いたばかり。「きっと神様はいる」と岡田くんが言う、私もそう思う。もちろんサインを貰って記念写真も忘れない。
そしてステージ上では本日最後のアーティストがさりげなく出てくる。ギター一本で歌うジェイソン・フォークナーにメンバー釘付け。ギターという楽器の素晴らしさを知る。
興奮と感動の中、岡田くんのための1日が過ぎていった。

ライノショップで真剣な岡田くん

エル・レイ・シアター裏

憧れのダグ・フィーガーと

ドライブの車内も楽しい



26日(水)

岡田くん集合時間に遅れたかどうかは忘れたが、今日も運転を担当してもらおう。
集合時間よりもやけに早く目覚めてしまった磯山くんと私は時間を潰しにモーテル近くのマクドナルドにモーニングコーヒーをいただきに行く。朝といっても日差しはすでに痛い。暑いけどモーニングコーヒーはホットがいいな、と私はホットコーヒーのスモールサイズをオーダー。ここはアメリカだからね、間違ってレギュラーとかラージとか頼んだら、またバカでかいのが出てきてしまうからね、もうすっかり馴れたもんだ。となりで磯山くんは「このくそ暑いのによくホットなんか飲めるな!」とか言いながらアイスコーヒーをオーダー……しかし、彼の手によって運ばれてきたものはバカでかいラージサイズの湯気の立つコーヒーだった。「ガッハッハッハッハ(大爆笑)!!」 彼の英語は”アイスコーヒー=ラージコーヒー”レベルなのだった。汗をかきながら飲むのはいいが、首をかしげながら不思議そうに飲むのは止めて欲しい、笑いが止まらないじゃないか。「ぶぅわっはっはっはっは!」(大爆笑はつづく)。
ふぅ〜…、朝からFuckin' crazy manのおかげで体力消耗、今日は買物のためにちょっと遠出をするというのに。ということで、アウトレットのショッピングモールを目指してオンタリオまで向かう。あまりの安さに私は駆けずり回るが、メンバーは時間を持て余し気味。それぞれの時間を過ごしてハリウッドへ戻る。
今日の後半はユニバーサルスタジオで遊ぶつもりだったのだが時間が残り少なく予定変更、ヴァインストリート沿いのプロフェッショナル・ドラム・ショップへ、しかし閉店。メルローズで行きそびれた店に行ってみるが、閉店。知人に紹介してもらったブラック・ミュージック・マーケットに行ってみるが閉店。ここに来てみんなで立ち尽くす。
そしてまた予定変更、岡田くんは心残りのあるライノ・ショップへ磯山くんと車で向かうことに。永井くん英くんの腹ぺこチームはビバリーセンター(デパート)のフード・コートでのんびり。デパートが閉店になり追い出された満腹チームは近くのブックショップで地図を広げて釣り場を探すことに。しかし、これがいけなかった、携帯の電波が入らずライノチームと連絡が取れなかったのだ。結局待ちあわせに1時間以上を要し、磯山くんの野性の感で探し当てられてやっと合流(言っておくがこれは心が通ってないと出来ない神業、土地勘のないアメリカで合流できたのがホント不思議)。で、すっかり真夜中、そしてグッタリ。モーテルに帰る途中で吉野屋に寄って気分を盛り上げることにする。アメリカンビーフで牛どん、もうガゼン楽しみになってきてしまう。レギュラーのビーフボウルとグリーンティー(実はほうじ茶だった)、ミソスープ(みそ汁)にジャパニーズピクルス(漬物)、どれも日本の味だった、なんだかホッとする。次回は是非アメリカンビーフでしゃぶしゃぶに挑戦してみたいものだ。
ということで、肩透かしの連続だった1日は吉野屋によって救われた。

景色もきれい

英くんの右手に注目、嬉しかったんでしょう

L.A.はたくさん楽器屋さんがある

楽器屋街を歩くメンバー



27日(木)

永井くん英くん大寝坊。メンバーの罪はリーダーが背負うのが当たり前だろう、岡田くん運転手に決定!
今日はユニバーサルスタジオに行くのだが、まずはアイホップで朝食、パンケーキ美味い! ポテト美味い! ベーコン美味い! コーヒー美味い! 朝から元気をみなぎらせて英くんお目当てのドラムショップへ行く。実は今回アメリカで回ってきた楽器屋とかレコードショップとかその他のお店はだいたい出発前に目星を付けてきた所だったのだが、このドラムショップに限っては磯山くんが街を徘徊中に偶然見つけたお店。やっぱり磯山くんには野性の感が備わっている。それにしてもこのドラムショップはすごい! すごい数のドラム! 英くんの鼻の穴が広がっている、喜んでいる証拠である。そして買ってしまった、ずっと欲しかったスネア、ディスカウントまでしてしまった。今回のアメリカ買物金額のぶっちぎりの優勝。もう、すごい笑顔にすごい鼻の穴、よかったね。
ユニバーサルスタジオに向かう前にバーバンクまで出てドーナッツショップで一服。おばさんがひとりで商っているらしいドーナッツ・プリンスという小さなドーナッツショップ、おいしい、アメリカ人になった気分。街の喧騒から離れて少しホッとする。
そしてとうとうユニバーサルスタジオへ! 少しくらいは観光らしい事もしなくちゃネ。ということで、気合いを入れる。しかしすごい人の数だ、いつもなら頭半分出た岡田くんの茶髪と磯山くんの金髪を目印に小さいチームはついていくのだが、背の高いアメリカ人に紛れてしまうと頭が見えない、おまけに茶髪と金髪だらけだ。これはまずい、何よりはぐれない様に必死。しかし何だかんだ言ってもこういう所って幾つになっても楽しいものです。さんざん並んで、スパイダーマンだ、ジョーズだとさんざん騒いで、アメリカの子供たちに混じって水浴びして、磯山くんはアメリカの子供たちに「ニイハオ!」って挨拶されて(爆!)ハリウッドの陽は落ちていったのでした。
はしゃぎ疲れた磯山くん永井くん英くんはそのまま宿へ戻ることに。まだ元気のある岡田くんは今日の目的グリーン・ベリー・ウッズの再結成のライブを観にI.P.O.のイベント会場へ。私は岡田くんに同行することに。そしてこのライヴが素晴らしく良かった。この日観たスプリッツヴィル(グリーン・ベリー・ウッズのメンバーが今やっているバンド)が私の今回のベストアクト! 日本に戻ってきた今も、岡田くんから横取りしたCDを聴き続けている。もちろんグリーン・ベリー・ウッズも素晴らしく良かった。
モーテルへの帰り道、岡田くんは黒人の少年にタバコをせびられ快く差し上げたら、日本では法外なハッパちゃんを売られそうになる。岡田くんクールに「No」、ちょっと速足になる。ふぅ〜、でんじゃー、でんじゃー。







ドーナッツショップ前で休憩

ユニバーサルスタジオだ!

童心に戻る

ユニバーサルスタジオから撮ったハリウッドの夜景